優しくて温かい場所(Gently warm place)
∴∴智①
俺は、教師になりたくて
大学の教育学部に入り
バイトをしていた。
両親とも、教師をしていて
「バイトは、しなくても良い」
と、言ってくれたが
社会勉強になると思い
一年の時から、カフェで
バイトする日々を送っていた。
そんな俺が、三年の時に
新しいバイトの子が
入ることになり
その子の教育係を任された。
その子も教育学部で
柳 咲桜ちゃんだ。
初めて、咲桜ちゃんを見たとき
俺の回りの全ての時間が止まった
ように思えた。
「はじめまして、柳 咲桜です。
宜しくお願いします。」
と、言われて、やっと意識が戻り
「安西 智です。大学三年です。
こちらこそ、宜しく。」
と、言った。
咲桜は、にっこり笑い
俺は、咲桜にあっという間に
心を持っていかれた。
その日から、バイトの指導と
俺のアプローチが始まった。
最初、咲桜は相手にもしてくれなかったが
ひと月、ふた月と過ぎると·····
俺のことを真剣に考えてくれ始めた。
俺は、バイトの日は
必ず、咲桜を家か親友の綾華ちゃんの
家に送った。
五ヶ月を過ぎると
咲桜は、俺と付き合うようになり
俺の人生は、薔薇色だった。
咲桜は、本当に綺麗で
優しくて、思いやりがあって
俺には、もったいないくらいの
彼女だった。