優しくて温かい場所(Gently warm place)

∴∴トラウマ


咲桜は、この日

安西咲桜になった。
咲桜、42才
智、44才


智は、翌日から学校に復帰して
先生方からも喜ばれた。

もちろん入籍の報告もした。

生徒からも、元の安西に戻ったと
凄く喜ばれた。

安西の両親も喜んでくれて
咲桜も嬉かった。

優也は、智と一緒の高校教師に
なりたくて、よく家にきて
智と話をしている。

智の両親は、
優也も拓也も、
凄く可愛がってくれて、
そんな経験のない
二人は、照れながらも
嬉しそうにしていた。

咲桜は、幸せだった。
智には、少しトラウマが
あるが、それは咲桜だけが
取り除ける事だから
咲桜は、智が不安にならないようにした。

智は、必ず
< 今から帰る >と
咲桜に連絡する。

咲桜は、鍵を開けて待つ。
それが、毎日の日課だ。

前回、帰宅した時に、
咲桜が、いなかった為
不安が·····凄い····みたいで‥‥‥

帰ると、智は咲桜を抱き締めて
咲桜の存在を確認する。

智は、いつもその時
若干震えている。

どれだけ、この人が
傷ついたのかが伝わる。

だから、咲桜は、
智が納得するまで
智に抱き締められる。

智は、落ち着くと、
咲桜にキスをして
手洗いをして、
部屋着に着替える。

最初の頃は、毎日
「ごめんね。みっともなくて。」
と、謝る智に
「私を確認してくれてるのだから
みっともなくない。
抱きしめられて、役得。」
と、言うと
恥ずかしそうにする智に
だから、謝らないで。
と、伝えた。

それから、
二人で、食事をして
ゆったりとする。

智も咲桜も、この時間が
何よりも好きだ。
< 51 / 61 >

この作品をシェア

pagetop