優しくて温かい場所(Gently warm place)

∴∴なお



私が勤めていた高校に
安西先生が入ってきた。
身長も高く、優しく、イケメン
年下だけど、私は直ぐに夢中になった。

安西先生は、生徒にも人気が高く
生徒の話だと溺愛するほどの
彼女がいるらしい。
そりゃ、そうだろって思っていた。

そんな日々の中、
安西先生が休んだ
それも、一週間。

一週間過ぎて、学校にきた安西先生は、
あまりにも、変わり果てていて
誰もが心配した。

学校には来ているが
安西先生は不安定で
朦朧としていた。

私は、意を決して
安西先生の家に泊まり込み
勝手に、安西先生の世話をした。

先生は、私が、いてもいなくても
変わることなく、
会話があるわけでもなく
もちろん、エッチもない。

ただ、ただ、
私は、掃除、洗濯、食事を
していただけ。

私が、先生の家に出入りして
変な噂がたっても行けないと思い
婚姻届けも勝手にだし
学校には、
事務室と校長、
教頭にだけ話し、
名前も旧制のままにした。

私の両親は、
私は、一生独身だと思い
諦めていたから、話もしていない。

ただ、智の両親には、
智の様子を見にこられたときに
ばれて、責められたが
無理矢理に追い出されることは
なかった。

15年、一緒に暮らすが
会話もほとんどない
私が、一方的に話すだけで
彼からの返事は
いっさいない。

一度だけ、安西先生が彼女と間違って
そんな風になりかけたが
彼が違うと気づいて、未遂で終わり

二度目は、私から仕掛けたけど
彼の分身は、たつことはなかった。

それからは彼は
いっそう一緒の空間に居なくなり、
一人で部屋で過ごす様になった。
< 57 / 61 >

この作品をシェア

pagetop