優しくて温かい場所(Gently warm place)
それからも代わらず
私も智も、お互いを思いやり
大切に大事に愛を育んでいた。

アメリカで勉強している兄にも
彼ができて、大切にしてもらっている
と、報告した。
兄は、少し寂しそうにしていたが
私が、幸せなら‥‥いいと
言ってくれた。

綾華にも
「まったく、顔にしまりがなくなって
にやけ顔になってるよ。
今までの咲桜と別人みたい。
でも、咲桜が幸せなら
私も幸せ。」
と、喜んでくれていた。

クリスマスは、綾華も一緒に
三人で騒いで楽しかった。

年末は、智のマンションで過ごして
年始には、智の実家に連れていかれた。
もちろん、カラコンはしていない。

智が、カラコンするのを嫌がるから
「でも、智の両親はびっくりするのでは?」
と、心配するが
「そんな親じゃないよ。」
と、言われた。

智のお家は、
洋風の可愛い建物だった。
「すてき」
と、言う私に
「母さんの好みなんだよ」
と、智は言いながら

玄関を開けて
「ただいま、父さん、母さん。」
「お帰りなさい。さぁ、上がって。」
「はい、お邪魔します。」
と、あがり、智に手を引かれて
リビングに入った。

陽の光が沢山入った
温かな部屋に
お父さんは座っていた

「俺の彼女の柳 咲桜さん。」
「始めまして、咲桜です。
宜しくお願いします。」
と、言うと
「智の父です、こちらは母親です。
それにしても、智には、勿体ないほど
綺麗な方だね、母さん。」
と、お父さん
「本当に、瞳の色も凄く素敵。」
と、お母さんが言ってくれて
「あっ、ありがとうございます。
母の瞳を引き継ぎました。」
「そうなの。お母さんは、どちらの?」
「はい、イギリスです。
私が、小学生になった年に他界しました。」
「ごめんなさいね、辛いこと聞いて。」
「いえ、瞳を誉めて頂いて嬉かったので。」
「咲桜は、今のお母さんから
カラコンをするように言われて
普段は、見せてないんだ。
この瞳を。」

「そう、辛いわね。」
「はい、私の母を思い出すから
瞳は、隠すように言われました。

父も同じ考えで
兄は、父の血を受けたのか
純粋なんですが。
私が、素でいれるのは、
智さんと親友の前だけです。」
「此処もよ、ここでも、素でいなさい。」
と、言ってもらえて
「‥‥‥ありがとっ‥‥うございます‥‥」
と、私は、嬉しくて涙が溢れた。
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