取り敢えず書いてみた作品(無題)
みんな大好き新選組編(新撰組とも書く)
♪〜〜♪♪〜〜♪〜♪〜♪♪〜〜
『今日も聞こえるよ。笛の音が』
「姉様いいな〜私全然聞こえないよ〜」
『もっと近くに行ってみる?』
「うん!」
花が咲いた瞬間のような笑顔を見せる椿の手を引いて音の鳴るほうへ向かった。
幼い椿の歩幅に合わせて歩く。
『こっちよ。聞こえる?』
「うん!聞こえるよ」
ある家の塀に登って座った。
気持ちいい安らぎの音色。この笛誰が吹いているのかな?
♪〜♪♪〜♪♪〜〜♪〜
音楽に聞き入っていてふと隣を見ると椿の耳が出ていた。
『椿、耳が出ているわ』
「へっ!?わっごめんなさい!」
声をかけると焦って耳を隠す椿は可愛い。
人には無いであろう子狐のようなモフモフした獣の耳。
家に帰ったら椿の耳に暗示を掛けようかな。
頭にそんな考えがよぎった。
『大丈夫よ。はい、これ頭に被せて?』
「ありがとう姉様!」
無表情の私に笑顔を向ける椿。
小さく微笑んで頭を撫でると気持ちよさそうに目を閉じた。
椿が変幻の術を解いてしまうことはよくある事。
だから、予め風呂敷を持ってきていたけど、良かった。予知が外れなくて。
でも、これからはもっと気をつけよう。
この時代、いつ、どこで、誰が、見ているか分からないから。
♪〜〜♪♪〜〜♪〜♪〜……
あ、終わった。
『椿、今日はもう帰りましょ、う?』
「スースー」
隣を見ると私の方に頭をあずけて眠っている椿がいた。静かに聞こえる寝息。
私じゃなかったら襲われるって分かってやっているの?
ぷにぷにの椿のほっぺを引っ張ってみる。
ちょっとした悪戯心。
引っ張ったほっぺたはもちもちしててどこまでも伸びそう。
痛そうだから、そっと手を話して赤ちゃんの様に椿を抱き上げる。
『おやすみなさい。椿』
ゆっくりと膝の上に乗せた椿の頭を撫でるとみるみるうちに子狐に変化した。
サラサラの真っ白な毛並みにだらんと垂れ下がった耳。根元から伸びる2本の尻尾。
無防備。
その言葉がお似合いだ。
本当は尻尾が5本になるまで外出禁止なのだけど、私が監視をすると話をつけてしょっちゅう外に連れ出してる。
もうすぐ、この子は私達を忘れて、ただの五感に優れた人間になってしまうから。
止められない私を許してね、椿。
目をつぶると見える黒い世界。
目を開けると先程とあまり変わらない暗い世界。
同時にさっきまで居なかった塀の上に座る私を睨みつける青年。
この人は……仲間?
微かに妖気が感じられる。
意図的に抑えられた強大な妖気。
白狐?いや、違う。白狐より強大な龍?
違う、龍より小さい琥珀?
「そんなところで何してるんです?」
場合によっては斬る、と言う青年に少し身構える。
『綺麗な笛の音を聞いていた。それだけよ』
すると、青年の目が少し、見開かれた気がした。
『今日も聞こえるよ。笛の音が』
「姉様いいな〜私全然聞こえないよ〜」
『もっと近くに行ってみる?』
「うん!」
花が咲いた瞬間のような笑顔を見せる椿の手を引いて音の鳴るほうへ向かった。
幼い椿の歩幅に合わせて歩く。
『こっちよ。聞こえる?』
「うん!聞こえるよ」
ある家の塀に登って座った。
気持ちいい安らぎの音色。この笛誰が吹いているのかな?
♪〜♪♪〜♪♪〜〜♪〜
音楽に聞き入っていてふと隣を見ると椿の耳が出ていた。
『椿、耳が出ているわ』
「へっ!?わっごめんなさい!」
声をかけると焦って耳を隠す椿は可愛い。
人には無いであろう子狐のようなモフモフした獣の耳。
家に帰ったら椿の耳に暗示を掛けようかな。
頭にそんな考えがよぎった。
『大丈夫よ。はい、これ頭に被せて?』
「ありがとう姉様!」
無表情の私に笑顔を向ける椿。
小さく微笑んで頭を撫でると気持ちよさそうに目を閉じた。
椿が変幻の術を解いてしまうことはよくある事。
だから、予め風呂敷を持ってきていたけど、良かった。予知が外れなくて。
でも、これからはもっと気をつけよう。
この時代、いつ、どこで、誰が、見ているか分からないから。
♪〜〜♪♪〜〜♪〜♪〜……
あ、終わった。
『椿、今日はもう帰りましょ、う?』
「スースー」
隣を見ると私の方に頭をあずけて眠っている椿がいた。静かに聞こえる寝息。
私じゃなかったら襲われるって分かってやっているの?
ぷにぷにの椿のほっぺを引っ張ってみる。
ちょっとした悪戯心。
引っ張ったほっぺたはもちもちしててどこまでも伸びそう。
痛そうだから、そっと手を話して赤ちゃんの様に椿を抱き上げる。
『おやすみなさい。椿』
ゆっくりと膝の上に乗せた椿の頭を撫でるとみるみるうちに子狐に変化した。
サラサラの真っ白な毛並みにだらんと垂れ下がった耳。根元から伸びる2本の尻尾。
無防備。
その言葉がお似合いだ。
本当は尻尾が5本になるまで外出禁止なのだけど、私が監視をすると話をつけてしょっちゅう外に連れ出してる。
もうすぐ、この子は私達を忘れて、ただの五感に優れた人間になってしまうから。
止められない私を許してね、椿。
目をつぶると見える黒い世界。
目を開けると先程とあまり変わらない暗い世界。
同時にさっきまで居なかった塀の上に座る私を睨みつける青年。
この人は……仲間?
微かに妖気が感じられる。
意図的に抑えられた強大な妖気。
白狐?いや、違う。白狐より強大な龍?
違う、龍より小さい琥珀?
「そんなところで何してるんです?」
場合によっては斬る、と言う青年に少し身構える。
『綺麗な笛の音を聞いていた。それだけよ』
すると、青年の目が少し、見開かれた気がした。