living
翌朝


母さんは、仕事の準備

俺は、大学に行く準備

誠実さんと花菜は、昼からのシフトらしい


午前中は、あの店だな


昨夜の夕食で、プロポーズのOKを貰ったと
誠実さんが発表した

もし、OKしなかったら

パーティーどうする気だったんだろ



とか思いつつ

「はよっ」

「はよっ って…どうしたその顔!?」


挨拶してきた朔哉に、挨拶を返して
驚いた


「親父に殴られた…
花菜を連れ戻せとか、言ってて
なんか、ムカついて反抗したら、コレ
俺も伊緒里の家に行こっかな…」

「花菜と俺を邪魔しないならいいぞ!!」

「それ、無理だわ 俺、花菜が伊緒里と
付き合ってるって、まださみしいもん」

もんって……

「伊緒里は、花菜
花菜は、伊緒里 2人とも俺の相手しないもんなぁ!!」

母さんの結婚式に朔哉も誘った

昨日、花菜から朔哉も誘っておいてと

言われたことを伝えると


「花菜は、やっぱり兄ちゃんが好きなんだ」


ついこの前まで、嫌われてるとか

落ちこんでいたのに


立ち直りの早い奴




昼前に花菜からの着信

番号交換して、初めて

「もしもし」

『もしもし』

でも、花菜の声じゃない

男の声

「どちら様ですか?」

『えと…覚えてるかな?
花菜の幼なじみで相沢琉成です』


なんで、コイツが花菜の携帯を…


『花菜が具合悪くて…病院いかないって
でも……すごく悪そうなんだ
こういう時、どうしてる?』

「今どこ?」

『○△のデパート3階トイレ』

「わかった すぐ行くから、声掛けてて」

『了解』


「朔哉!!花菜が具合悪いみたいだ!」



朔哉と2人でデパート3階トイレを目指し

走った


近くでよかった


久しぶりに20分も走った

運動不足だ

息切れ半端ない




トイレの前にあるベンチで

琉成に膝枕されている

顔色の悪い花菜…


「花菜!!」

「……伊緒里ぃ ごめん…」


なにがごめんかよくわからないけど


「帰ろ」

「……うん」


「琉成 ありがとう」

「いえいえ カバン持たされててよかった
花菜? 伊緒里くんが来てくれてよかったな」

「……うん」

「おいおい!!俺もいるし!!!」

朔哉が花菜の頭を撫でる

「ん?……さ…くちゃ……?」


俺の懐に顔を埋めて、寝た?

「花菜が、さくちゃんって言った!!
嬉しい!!やべぇ!!嬉しい!!」

「朔哉 顔どうした?」

今朝、俺がした質問を琉成がした


「ちょっとな……親子喧嘩だ」

「朔哉 俺んちこいよ!
俺の親いなくて、1人暮らしだから
気兼ねすることねぇぞ!?」


朔哉と琉成が一緒に暮らすことになった日


花菜は、起きなくて

ずっと寝たままだった


夜には心配して、誠実さんも来てくれた


結婚式の準備で、無理させたんだろうな


すやすや眠る花菜の手を握った


翌朝


目覚めたけど、まだ具合が悪いみたいで

「病院に行きましょう!?」

母さんが説得すると

「お母さん…信じて
私が花菜ちゃんを守るから
病院は、連れて行かないで…」

久しぶりの亜依里


「大丈夫なんだよな?」

「うん お兄ちゃんも…信じて」


再び眠ってしまった


「俺、今日ついとくから、仕事行けよ」


母さんを仕事に行かせてから

花菜のおでこに手を当てる

熱は、ない

こうして、手を握るだけしか

俺に出来ることがないのは、くやしい





昼過ぎに目覚め


「よく寝たぁ!!スッキリ!!
伊緒里!!ずっとそばにいてくれたの?
嬉しい!!ありがとう!!」

すこぶる元気に抱きついてきた

安心して、俺も花菜を抱きしめ返した


昨日、なんで琉成といたのか

聞くの忘れていた




花菜が、元気になってよかった

朔哉にメールで、知らせた




朔哉からの返信に

〝引っ越し中!よかった!!
看病よろしく 琉成 朔哉〟


早速、引っ越ししてんのか







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