living

琉成と亜依里

母さんと誠実さんの結婚パーティー


誠実さんがランチに誘い
レストランへ

待ち構えていた参列者からの
祝福のクラッカー


こんなに喜ぶ母さんを見たのは、初めてだ


お色直し


花菜の選んだドレスに着替える
息子としては、複雑な気持ちだったけど

母さんは、綺麗ですごく似合ってた


このレストランが、琉成の親が出資しているとわかったのは、パーティーの後


プチハネムーンで、今日は2人でホテルに泊まることになっている


「伊緒里、今から亜依里と代わるから」


そう言って、俺の肩に頭を乗せてきた


「ふわぁ お兄ちゃん…お母さんどうだった?」

「喜んでるよ
行ってこいよ」

亜依里が母さんのところへ

「お母さん!!きっれぇーーー!!!
素敵!!花菜ちゃんの選んだドレス
とってもいいね!!」 

「亜依里?ありがとう!!
驚いたわ!素敵なパーティーになったわ!」

「今日は、2人でゆっくりね!
お兄ちゃんの面倒は、私がみるから!」



花菜と2人で過ごせると思ったのに…


まぁ 久しぶりに亜依里とアイスでも食お




パーティーの片づけも終わり

帰り際

亜依里を、朔哉と2人で捜していた

レストランの廊下で


「亜依里ちゃん!!」


朔哉と俺が、固まる

だって、花菜を〝亜依里ちゃん〟と呼んだのは…… 琉成だったから


「琉成くん!今日は、本当にありがとう!!
お母さん、とっても綺麗だったよぉ!!
琉成くんのおかげだね!!」

「俺、何もしてないから/////」




なんつーか、いい雰囲気……


なんて、思っていたら


琉成が亜依里にキスをした


亜依里にっつっても、体は花菜のもの



「おいおい……伊緒里、ライバル出現だ」

「亜依里と琉成、知り合いだったのか?」

「俺に聞くな」


朔哉とその場から逃げた


店の方で、朔哉と状況を把握しようと
話し合いをしたが

わからなくて


モヤモヤしてるうちに、琉成と亜依里が

俺達のところへ

朔哉が、うまく亜依里を連れ去ってくれて

琉成と2人


「亜依里とどういう関係?」

「実は、俺……
図書館で亜依里ちゃんと仲良くなって
勉強教えてたんだ
△女子高に合格できるように
合格発表の日、亜依里ちゃんに告白されて
断ったんだ
亜依里ちゃんが大学生になったらねって
ところが、突然
亜依里ちゃんが図書館に来なくなって
亡くなったって聞いて
やっと、自分の気持ちわかったんだ
で……堅実のお墓参りの時、再会したっていうか
まさか、花菜の中に亜依里ちゃんがいるなんて、思わないだろ?
驚いたよ……」


琉成は、申し訳なさそうに

「俺と亜依里ちゃんが恋愛関係ってこと
花菜には言わないで欲しい
亜依里ちゃんが、心配してたんだ
花菜が、悩んでるって
胃潰瘍も悪いみたいだし」

「亜依里が中にいても、体は花菜のだ
気軽に触るなよ」

「……あ
見てた?ごめん…
理解しているつもりなんだ
亜依里ちゃんじゃないって、わかってる
でも…亜依里ちゃんなんだ
花菜にキスしようとかじゃ……
ごめん… 本当…… ごめん…」


もしも


花菜が死んで

他の人の中にいたとして

俺も


同じように

触れたいとか

キスしたいとか


絶対思う




だって



触れたくても、触れられない遠いとこに
行ってしまった悲しみを、何で埋めたらいいのかなんて、そんなこと難しすぎて





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