living

デート

待ちに待った 日曜日


花菜の負担にならないようにと

誠実さんが選んだ場所は

車で1時間でたどり着く観光地


「伊緒里君、途中休ませてやってくれよ?」


到着早々に、別行動

マジか……


そういうことなら、ちゃんと調べておけばよかった


「伊緒里君!!あのお店みたい!!」

花菜の手を握った


「走るなよ
あと、はぐれちゃダメだからな」

「はっ…はい/////」


めちゃくちゃ赤くなって

俯いて歩く

お店の中を人を避けつつ進む


「買ってくる!!」

俺がよそ見している間に
何かを持って、レジに向かった




支払いが終わり、戻ってきた

「おまたせ!!」




「何買ったの?」

「お父さんとお母さんとさくちゃんにね
日頃の感謝を込めてね
私が病気になってから、苦労かけてるみたいだから」

「良いこともあったみたいだけど?」

「???良いことなんてないよぉ!!!
私…申し訳なくて……」


こういうとこ、花菜だなぁ

「花菜がいなかったら、皆でお出かけすることは、なかったぞ?
覚えてないだろうけど
誠実さんとうちの母さんをくっつけたのは
花菜なんだ」

「伊緒里君って… 
本当に、私の彼氏なんだよね?」

「うん」

「伊緒里君」

「なに?」

「何でもない…」


???


昼前に、待ち合わせ場所に全員集合して

レストランに入った


花菜がカバンから、ゴソゴソ


「コレお父さん!コレお母さん!
コレさくちゃん!コレ誠実さん!
コレ志緒里さん!コレ伊緒里君!
日頃の感謝の気持ちです!えへへっ」


予想外に俺らのもあった


「昼から何するの?私、まだまだ元気だよ」


昼からは、皆でわいわいと

観光を楽しんだ

池で鯉に餌をやることにはまった花菜


「もう一回!!」

「鯉がデブになって、泳げなくて溺れたら
どうすんだ?」

「え…    やだ…   」

「じゃあ、餌はおしまい!」

「うん……」


どんだけがっかりなんだよ

「花菜!あっちで大道芸やってるぞ!!」

「どこどこ!?」

朔哉と手を繋いで、見に行った


「子供の頃から、どこにも連れて行ってないんだ…
共働きを言い訳に、朔哉と花菜を
ほったらかしにしたんだ
最低な親ですよね
伊緒里君、佐久間さん、川田さん
ありがとうございます」



帰りの車内


「すっごく楽しかったぁ!!!
楽しいね!デートって!!!」



こういう発言は、亜依里だな

全員、苦笑い

完璧にデートのイメージ変わったな


「花菜、どこか行きたいとこあったら
また、皆でデートしような!?」


俺が言うと、目をキラキラさせ

「うん!!!
あっ!滝みたい!!どーんと大きいの!!」

「んー?誠実さん知ってる?」

「任せとけ!来週行くか?」

「来週行くーーー!!!」


また来週

皆でデート






井原家の前で、お別れをする

帰り際、コッソリ花菜の父親が教えてくれた…「来週の日曜日は花菜の誕生日なんだ」

そうなんだぁーーー!!!

「ありがとうございます!!!
何か準備します!!!」





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