“おねいさん”が大好きな「ぼく」。
ただひたすら純粋におねいさんを慕い、そばに居られたらと願うけれど。彼の本来の役割を終える時に訪れてしまう、切ない別れ。
その瞬間までしっかりと役に立とうとする様が健気で、切なく胸を締め付けられます。
けれど、彼は思いもよらない形で“おねいさん”のそばに。
ラストに至った時、ちょっぴりほろ苦さもあるけれど。彼なりに大好きな彼女のそばにいられてしあわせだったと思います。
“おねいさん”という呼びかけに象徴されるように、ちょっと子どもみたいだけど純粋で素直な「ぼく」と彼の周りにいる“人たち”は、あたたかくて優しい。どこか童話のように柔らかく、ほっこりと和むような。そんな素敵なお話でした。