無情の姫
1
私の出来上がり
いつからだろう。
表情を変えなくなったのは。
そんなことを考えながらよく手入れされた広い庭に視線をやる。
チチチッ・・・
鳥の鳴き声。
サワサワ
風にふかかれる木々。
ザァザァ
噴水の水の音。
自然は良い。
人間と違って私の悪口を言ったり、暴力をふるったりしないから。
人間は汚いから嫌いだ。
だから私は、そんな人間たちの行動にいちいち反応するのはバカらしいと思い、
表情を自ら殺した。