無情の姫
赤い瞳の娘。
それが私を指しているのは明らかだった。
兄も妹も瞳は両親と同じ茶色だ。
昔から、両親に疎まれていることには気がついていた。
与えられる衣服や食事は豪華だったが、他の兄弟に向けられる温かい眼差しと、私に向けられるゴミを見るような視線。
でも気づかない振りをして、少しでも好きになったもらうためにたくさん勉強した。
しかし、それも無駄だったようだ。
両親は私を厄介払いするための相談をしていたのだから。
あの夜からだろう。
今の私が出来上がったのは。