無情の姫
この国では異性が相手をエスコートするのはごく一般的。
改めてじっくり繋がれた手を見るとすらりと長くい指や、なにもかも包み込んでしまいそうな大きな手。
顔だけじゃなく、ても美しいとは。
恵まれた人もいたものだな、などと考えていると、ようやく城内に入ることができた。
じつは、今まで歩いていたのは広大な庭園で、それだけでもうちの敷地の何倍にも相当するだろう。
大きな扉をくぐって始めに目にはいったのは大きなシャンデリア。
そして敷き詰められた赤い絨毯に、丁寧な彫刻を施された螺旋階段。
やはり、王家ともなるとスケールが違う。