【完】365日、君をずっと想うから。
そんなことを考えながら、私はお弁当を持って廊下を歩いていた。
多くの生徒とすれ違うけど、一人として私に用がある人なんていない。
もう2年生だっていうのに、過去に起きたある経験が災いして自分から話しかけられず、友達がひとりもいないから。
1年生ではどのグループにも入れず、クラス替えしたばかりの今だって、クラスはほとんどグループができあがっちゃっていて。
でも大丈夫。
ひとりでも、私は、大丈夫。
自分にそう言い聞かせるように、お弁当を入れたバックの取っ手をギュッと握る。
それより、お弁当を食べる場所見つけないとだ。
いつまでも食べる場所を探して、お弁当を持ったまま校舎をウロウロしているわけにもいかない。
どこか、静かに食べられる場所……。
あ、そういえば西側の非常階段がいいかも!
あの階段、たしか、ほとんど使われてないんだったよね。
よし、非常階段に行こうっ!
そう思い立った私はさっそく非常階段へと向かった。