【完】365日、君をずっと想うから。
そんなふうに結局自分の気持ちがわからないまま時間は流れて
暑さが増してきた、7月のある日。
お昼休みになり、スマホを開いた私は、蓮からのメールが一通届いていたことに気がついた。
《今すぐ非常階段に来い》
ええっ? 今からって……。
メールが届いていたのは、さっきの授業中。
もう20分も経っている。
授業中に今すぐ来いなんて、無理だって……!
とりあえず早く行かなくちゃ!
スマホを制服のポケットにしまい、私は慌てて教室を駆け出た。
なんの用だろう?
やってきた課題見せろ、とかかな?
それとも、購買でパン買ってこい、とか?
なにはともあれ要件が書いてないから、検討もつかないな。
怖い命令はされませんように…!と祈りながら、非常階段へと早足で向かった。