【完】365日、君をずっと想うから。


嫌な予感は見事に的中し、蓮はポケットから〝あれ〟を取り出した。



「俺の言うこときかないなら、これ、明日昇降口にでも貼っておくから。
全生徒がよーく見える場所に。
公開ラブレターの反応、楽しみだな」



私の届かない位置でラブレターをひらつかせ、ニヤリと笑う蓮の顔は、もはや悪魔にしか見えない。



コウくんへのラブレターを出されたら、もう命令に従うしかなす術はなくて。



「うぅ、わかった。
作ってくるよ……」



「わかればいい」



そう言って、満足そうに笑う蓮。



完全に蓮のペースに巻き込まれてしまった。

< 103 / 418 >

この作品をシェア

pagetop