【完】365日、君をずっと想うから。
「ねぇ、向坂くん……。
さっきの〝骨折した話聞いてなきゃ、助けられなかった〟って、どういう意味?
それに、なんで私の名前知ってるの?」
次から次へと疑問がわいてくる。
どっちも、意味が分からないよ。
胸の中で疼く疑問をぶつけると、向坂くんはフッと口角を上げて笑った。
そして、ずいっと顔を私の耳元に寄せる。
「俺の秘密、教えてやろうか」
彼の甘い声が、私の耳をくすぐった。
ひ、秘密……?
私は騒がしくなる鼓動を感じながら、頷いた。
なにを考えるよりも先に、体が動いてたんだ、勝手に。
秘密って……
なに……?
と、口を開いた彼は、私の耳元で秘密を囁いた。
「俺、未来から来たんだよ」