【完】365日、君をずっと想うから。
◇
°
◇
「やっふーい!
夏休みだーーっ!」
嬉しそうに目をキラキラさせて、両手を高くつきあげるひかるちゃん。
今日は1学期の終業式。
さっきのHRで通信表が渡され、1学期最後の放課後を迎えていた。
私とひかるちゃんは、クラスメイトのいなくなってきた教室で前後の席に座り、お喋りに花を咲かせる。
「ひかるちゃん、嬉しそうだね」
「もちろん!
だって、大嫌いな授業から解放されるんだもーん!」
だけど、ハッとなにかに気づいたように一瞬にしてその笑顔が消え、上括弧を描いていた眉がたちまちにして下括弧になった。
「でも……夏休みは学校がないから、花ちんと会えない……」
「夏休みも遊ぼう?
私、ひかるちゃんと遊びたい!」
励ますように笑顔を向けると、ひかるちゃんの顔に満面の笑みが広がった。
「うん!!」
でも、嬉しいのは私もだよ、ひかるちゃん。
だって、図書館に通いつめるはずだった夏休みに、友達との予定が入るんだから。