【完】365日、君をずっと想うから。
「で、でも、私より参加したい子もいるんじゃあ……」
やんわりとお断りしようとするけど、高橋さんは食い下がった。
「え〜? だめ〜?
小暮さんがいいんだけどな〜♡」
甘い声を上げたかと思うと、ぐいっと顔を近づけ、瞳を覗き込まれる。
うう……っ。
それは反則だよ……!
頼まれたら断れない性格なのにっ……。
「小暮さんがいたら、男子も集まりやすいから、助かるんだよねぇ〜」
なんで私がいたら男子が集まりやすくなるのかは、分からないけど。
でも、
“助かる”
そう言われて、断れるはずもなく。
だって、こんな私でも力になるなら、なりたいし……!
「じゃ、じゃあ……」
“参加します”
そう動かそうとした口が、突然後ろから塞がれ、声を発することを止められていた。
「悪りぃけど、花は俺が借りるから」
私の鼓動と重なるように頭上から降ってきた、透明なアルト。