【完】365日、君をずっと想うから。
声だけで分かってしまった。
今、私の口を後ろから塞いでるのは……
蓮だ。
な、なんで蓮が?
状況を理解したと共に、この状況に陥った意味が理解できずに頭の中が混乱する。
「れ、蓮くんっ!」
私の前に立つ高橋さんの声が、黄色を含む。
驚きに見開かれたはずの目は、すっかりハートマーク。
蓮を前にした女子は大抵こうなっちゃう。
だけど、さすがはキラキラ女子・高橋さん。
美形には耐性がついているのか、すぐにハッと我に返ると、完璧すぎる笑みを作った。
「蓮くんにはホントにホントに悪いけど、小暮ちゃんを合コンに連れて行きたいのよね。
私の方が誘ったのは先だったし、今日くらい私に貸してよ?」