【完】365日、君をずっと想うから。
と、ハッと我に返ったのか、慌てて取り繕ったような笑顔を向ける花。
「なんでもないよーっ。
そんなに変な顔してた?」
「してた。
俺のことなんてどうでもいいみたいに」
花が言葉を詰まらせる。
ひとりで抱え込むな、花。
なにか抱え込んでることくらい、バレバレなんだよ、俺には。
俺は花の手首を握る力を強めた。
そして、ぐいっと身体を引き寄せる。
花の視線を逃さないように至近距離でその目をしっかり見据えて、口を開いた。
「花は俺のことだけ考えていればいーんだよ。
俺以外のことで頭ん中いっぱいにすんな。
うだうだ悩むくらいなら俺に言え」
「蓮……」
勘違いすんな。
「花は、俺の言いなりなんだよ」