【完】365日、君をずっと想うから。


俺にすべてを話す、その決意の声を花が上げた、そのときだった。



「花か?
なにしてるんだ、花」



少し離れたところから突然聞こえた低い声に、花の肩がびくっと強張った。



声がした方を向くと、そこには声の主である40代後半の男が立っていた。



スーツを着こなし、眼鏡の奥に覗く瞳は、目が合ったすべてのものを凍らせてしまうのではないかと思うほどに冷たい。



まるで、感情のないような。



その男は俺に一瞥をくれると、冷ややかな視線を再び花に向けた。



「まったく、本当にどうしようもない奴だ。
こんなチャラチャラした男とつるんでるなんてな。
親として恥でしかない。
いや、家族の恥だ」



花にぶつけられる、耳を疑いたくなるような言葉。



こいつが……

こんなことを言う奴が、花の父親?

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