【完】365日、君をずっと想うから。
「行くぞ、花」
花の父親が歩きだすと、花は俺に目を向けないまま、うつむいて父親の後を追うように歩きだした。
「花……っ」
やっとのことでその名前を呼ぶと、花がピクッと肩を揺らし、そしてゆっくり振り向いた。
でも ───
その瞳は、絶望の色しか宿していなかった。
「花、」
花は口を開きかけ、でもそれを押し込めるようにぎゅっと唇を噛み締めて、こちらに背を向けた。
そして再び父親の後を追って歩きだす。
なんで、なんで、なにも言わねぇんだよ。
だけど。
その背中は、たしかに俺に助けを求めていた。
“助けて”
小さくなった背中が、そう声を上げていた。
ようやく見つけた。
後悔の元凶を ───。
◇
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