【完】365日、君をずっと想うから。
「わ、私頑張るから……っ。
認めてもらえるように頑張るか……」
声が途切れた。
だって、こちらに歩み寄ったお母さんが、涙で濡れた私の頰に触れたから。
それまでずっと黙っていたお母さんが、悲痛な表情を浮かべている。
「お母さん……」
「ごめんね……」
「え……?」
思いがけない言葉に、私は思わず頼りない声を上げた。
「苦しんでること、母さん全然知らなかった……。
自分から話すことを拒んでいるってそう思ってたの。
でも、ちゃんと見てあげていられなかったんだわ……」
「お母さん……」
「花……」
お母さんが私の名前を呼んだ。
優しい声で、慈しむかのように。
こんなふうにお母さんに名前を呼んでもらえたのは、いつ以来だろう。