【完】365日、君をずっと想うから。
お父さんはなにも言わず、リビングを出て行こうとする。
でも、すれ違いざま。
「いつの間にか大きくなっていたんだな、花」
さりげなく、そして不器用に投げられた声は、今まで聞いたことのないほど優しくて。
「お父さん……」
厳しいお父さんらしい優しさ。
その一言で、もう大丈夫だって思えた。
これからは居場所を見失ったりしない。
ここが、居場所。
私はひとりなんかじゃない ─── 。