【完】365日、君をずっと想うから。
◇ 警戒心の行方
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1日の授業がすべて終わり、帰るために教科書を机の上に出していると、普段はそれほど使われないスマホがポケットの中で揺れた。
こんな時間に、なんの用?
思い浮かぶのは、あの人しかいない。
───向坂くん。
まさか、お金持ってこいとか万引きしてこいとか、恫喝されるんじゃ……!
恐る恐るスマホをポケットから取り出す。
メールに記されているであろう内容も決まってる。
『俺の言うことはなんでもきけよ』
向坂くんの言葉が、悪の呪文のように思い返される。
なにかの命令に間違いない。
どうか、怖いことが書かれていませんように……!