【完】365日、君をずっと想うから。


でも、私たち家族がまた分かり合えたのは、全部蓮のおかげなのは間違いない。



蓮がきっかけを作ってくれた。


蓮が理由になってくれた。



感謝の眼差しを向けると、蓮が私の頭から手を離しつつ、そっと柔らかく目を細めた。



腕の影がなくなり視界が明るくなると、蓮の端正な顔立ちがはっきりと目に映る。



「それに俺、花の両親には感謝してるから」



え……? 感謝?



蓮の口から出た思いがけない言葉に、驚きを隠せない私。



「なんで……?
嫌いにならない方が無理なほど、お父さんとお母さんは蓮にひどいことたくさん言ったのに……」



すると、蓮は瞳に真剣な色を滲ませた。



「花を傷つけてたことはたしかに許せねぇけど、花を産んでくれたから。
今花が俺の目の前にいるのは、2人がいたからだから」



「蓮……」

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