【完】365日、君をずっと想うから。


不意に、蓮が私に向かって手を伸ばしてきた。



「これ、誕プレ」



「……え? ……あっ……」



言われて初めて気がついた。


今日は8月14日。



そういえば、私、今日誕生日だった……。



私も忘れていたのに、覚えていてくれたなんて。



なにか言おうと思うのに、言葉が見つからないよ……。



こちらに差し出される蓮の手の上には、小さな包み。



「ん」



突然のことに驚いて思わず固まる私に、蓮が半ば強引にその包みを押しつける。



私はまるで夢を見ているような感覚で包みを受け取り、開いていく。



そして包装紙の中から姿を現したものに、思わず息を呑んだ。



「これ……」



それは、キラキラ輝く長方形のバレッタ。

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