【完】365日、君をずっと想うから。


「俺が元いた世界で、花が欲しがってたやつ」



そう。

ずっと欲しかったの。



登下校途中のお店のショーウィンドウに飾られていて、一目で気に入ってしまった。



でも、なかなか買えなくて。



一緒に登下校するとき、ショーウィンドウに並んだこのバレッタを見ていたこと、蓮は気づいていてくれたんだ……。



「あっちの世界じゃ、やれなかったから」



「蓮……。
ありがとう……すごくすごく嬉しい……っ。
今までで一番嬉しいプレゼントだよ……」



「ふっ、大げさ」



蓮が苦笑する。



だってだって……本当に嬉しいんだもん。



私のことを見ていてくれたことも、プレゼンとして贈ってくれたことも。



周りはもう薄暗くなってきたというのに、その中でもバレッタはキラキラと輝きを放っていて。

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