【完】365日、君をずっと想うから。
「早速つけるねっ!」
「おう」
このバレッタをつけてるところを蓮に見てもらいたくて、私ははりきって髪にバレッタをつけようと試みる。
だけど、なかなかうまく髪に引っかかってくれない。
「んん……」
苦戦しながらも続けていると、不意にこちらに近づいてきた大きな影が私を覆い、そして私の手の上に手が重ねられた。
「……っ」
それは言わずもがな蓮の手で。
「ったく不器用すぎ」
蓮の甘い吐息がすぐ上から降ってきて、それは身体全体をくすぐるよう。
時々髪に触れる蓮の細い指。
髪に神経は通っていないはずなのに、蓮の指を敏感に感じ取ってしまう。
あまりの近さに鼓動が騒がしくて、息苦しくて。
もう心臓が限界……っ!
と、ぎゅっと目をつむったとき。
「ん、できた」
その声と共に、蓮が少し離れた。