【完】365日、君をずっと想うから。
蓮が紡いだまっすぐな声が、すっと私の胸へと届いた。
不意をつかれ、思わず一瞬視界が揺らぐ。
「……っ、蓮……」
私の口から漏れた声は、今にも透明になって消えてしまいそうなほど震えていた。
感情の波が一気に押し寄せてきて、心が溺れそうになる。
それほどに、呼吸する隙間さえないんじゃないかってくらいに、胸が、身体中がいっぱいいっぱいで。
だって、私はもしかしたら、この言葉をずっとずっと待っていたのかもしれないから。
あぁ、私、生きていて良かった……。
生きることを諦めようとしたことだってあった。
でも蓮の言葉が、そんな喪失感も罪悪感も劣等感も、嫌な感情すべてを覆い尽くして消化してしまったようで。
はらはら瞳から落ちる涙。
世界が輝いて鮮やかに見えたのは、
きっと私の涙のせいじゃない。
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