【完】365日、君をずっと想うから。
─── そう。
最近、蓮は学校にあまり来ていない。
「あれー、まった蓮ってば学校来てないね!」
ベランダに立つ私の隣。
いつの間にかそこに立っていたひかるちゃんの声が、10月の空に響き渡った。
ベランダの手すりに肘をつき、ぼーっと力なくグラウンドを見つめていた私は、ひかるちゃんの突然の登場と、思っていたことを言い当てられたことに驚いてビクッと肩を強張らせた。
「ひかるちゃん……!
びっくりしたぁ……」
「蓮ってば、どうしたんだろうねー。
自分探しの旅にでも出ちゃったのかなぁ」
私の言葉なんてまるで無視のひかるちゃんは、口を尖らせて手すりにつかまり身体を前後に揺らす。
ひかるちゃんの言う通り、夏休み明けから蓮は学校に来なくなった。
《どうしたの?》
ってメールをしても、
《花には関係ねぇから、気にすんな》
なんて素っ気なさすぎる返信が来るだけ。