【完】365日、君をずっと想うから。
するとシノくんは眉を下げ、静かに微笑んだ。
「そっか、そうだったんだね」
そして、続けて口を開く。
「僕も詳しいことまで知ってるわけじゃないんだけどね、蓮になにかあったとか、蓮の体調が良くないとかじゃないよ」
その瞳は、嘘をついてる瞳なんかではなかった。
シノくんの落ち着いた口調は、安心感を与えてくれる。
そっか。
蓮になにかあったわけでも、蓮の体調が悪いわけでもないんだ。
良かったぁ……。
心からの安堵のため息を漏らし、胸をなでおろす。
「蓮は目的を持って動いてるんだと思う。
だから、花ちゃん、心配しないで?
そして、蓮を信じていてあげて?」
「シノくん……」
「ね?」
私は、なにがあっても、私は蓮のことを信じる。
絶対に。
「はいっ」
力と決意を込めて首を縦に振ると、シノくんは嬉しそうに「うんっ」と頷き、なくなってしまいそうなほどに目を細めて笑った。
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