【完】365日、君をずっと想うから。




°








それから数日後。



いつものように授業を終え、ひかるちゃんと別れた私は、ひとりで家へと歩いていた。



家に帰るまでの時間潰しのために訪れていたあの丘には、最近行っていない。



時間を潰す理由がなくなったから。



最近は家に帰ると、お母さんの料理の手伝いをしてる。



一緒に料理をしている時間は、ふたりでキッチンに立ちながら学校での話とか他愛ないことを話すことができるから、私にとって大切な時間で。



まだ少しぎこちない会話だけど、今はその会話が居心地よくさえ感じる。



でも、久しぶりにあの丘にも行きたいな。



あの場所は、心が落ち着く大好きな場所だから。



明日の帰り道にでも寄ろうかな。



なんて考えていると、突然ケータイの着信音が鳴った。

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