【完】365日、君をずっと想うから。


ポケットを探るけど、見当たらない。



あれ? ポケットに入ってない……

あっ! そういえば、今日に限ってバックに入れたんだった!



慌てて、肩にかけていたスクールバックを開ける。



その間も、ひたすら私を急かすように鳴り続けている着信音。



あぁ、ごめんなさいっ!



心の中で着信相手に全力で謝りながらも、やっとケータイを見つけた私は、着信の相手も確認せずに勢いよく電話に出た。



「もしもしっ!」



良かった、電話まだ繋がってるっぽい!



と、ホッとするのも束の間、電話の向こうから聞こえてきたのは、イライラを抑えられていない声。



《おせぇから》



「え?」



─── この声……



《後ろ》



その声に導かれるように、後ろを振り返った私は、思わず目を見開いていた。

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