【完】365日、君をずっと想うから。
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それから、当たり前だけど蓮からの命令が書かれたメールは来なくなった。
───〝契約解除〟をされた次の日。
私は、下駄箱で偶然蓮と鉢合わせた。
『あ、花』
『れ、蓮……っ』
蓮の姿を認めるなり、靴を持ったままテンパってその場に固まってしまった私。
それに対して蓮は、
『おはよ』
なにごともなかったかのように、ふっと笑って挨拶をした。
そう、意識してるのは、いつだって私だけで。
蓮の中では、完全に〝友達〟になっていたんだ。
蓮のクラスの前の廊下を通るときは、さりげなく教室を覗いてみるけど、蓮はあれから毎日学校に来るようになったみたいで。
見かけるときはいつも、元気そうにシノくんたちと話してる。
本当にあの日から、関係とともに距離も変わってしまったみたいだ。
蓮は……なんとも思っていないのかな……。
この距離を。