【完】365日、君をずっと想うから。
「私もひかるちゃんに作るよ、友チョコ!」
「ほんと!? 嬉しい〜っ!」
ひかるちゃんがピョンピョンと小さくジャンプし、赤みがかった髪を揺らして喜んでくれる。
と、ハッとなにかを思いだしたように突然ジャンプをやめ、机に手をついたかと思うと、ずいっと顔を寄せてきた。
「って、それよりそれより!」
「なに?」
「あの彼にも、あげるんでしょ〜?」
ニヤニヤとなにかを企んでいるような笑みを浮かべて、ちょんちょんと腕を突いてくるひかるちゃん。
「で、でも、あげても迷惑だし……っ」
「なんで?」
「だって、友達だから……」
そこまで言って、はっと口をつぐむ。
……あれ?
無意識のうちに、頭に描いていたのは、蓮だった。
コウくんよりも先に、頭に浮かんでいた。
少し前までは、コウくん以外考えられなかったのに……。