【完】365日、君をずっと想うから。
恐怖から、涙がじわりと視界を覆う。
怖い……だれか助けて……!
と、そのときだった。
「……なにやってんだよ、てめぇら」
背後から、怒気を押し込めたような低い声が聞こえたのは。
この声……
声を聞いただけで、なぜか安心感が溢れて、さっきの恐怖の涙じゃない、安堵の涙が込み上げてくる。
振り返ると、やっぱりあなたが立っていた。
「向坂、くん……」
「向坂!?
なんでおまえが……」
向坂くんの顔を見て、驚きをあらわにするヤンキー達。
対して、向坂くんの顔は見たことがないほど険しくて。
「早くその手を離せよ。
汚ねぇ手で花に触るんじゃねぇ」