【完】365日、君をずっと想うから。
ケータイをポケットから取り出し、未送信フォルダを開く。
そこには、暗い感情を全部封印した未送信メールが変わらずたくさんあった。
きっと前までは書く一方で、振り返ることすらできなかったこの未送信メールを、勇気を振り絞って開いていく。
一通り読み終えた私は、そこに溜まっていたメールをすべて削除することを選択した。
決意するとか、そういう以前に、自然と選択していた。
……ずっと、この未送信フォルダが心を支えていた。
心の中から溢れでてしまいそうな暗い感情を全部ここに書き込んで、 発散していた。
それによって、危うい心の均衡をどうにか保っていた。
でも、今なら、この未送信メールたちを消せると思った。
だって。
このメールに書き込んでいたまっ黒くて苦しかった悩みが、いつの間にか全部無くなっていたから。
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