【完】365日、君をずっと想うから。
向坂くん……。
「おいおい、なに言っちゃってんの?」
嘲笑うように白々しくそう言う不良達に、向坂くんは鋭い瞳を向けた。
「こいつに手ェ出されるのが、一番腹立つんだよ」
「あ?
ごちゃごちゃうっせぇんだよ!」
私の手を掴んでた不良がそう声を上げたかと思うと、突然私の手を振り払い、向坂くんに向かって拳を振りかざした。
向坂くんが殴られる……!
目の前の光景に、ぎゅっと心臓が張り裂けそうになる。
だけど、向坂くんはさっと身を翻し、その拳をかわした。
そして、行き場をなくし宙を空振った不良の腕を掴むと、ぐっと捻り上げた。
「これ以上痛い思いしたくなかったら、今すぐ消え失せろ。
もう二度と花の前に現れんな」
向坂くんの圧勝だった。
不良達が敵わないことは、明白で。
「くっ……。
くっそ……!」
不良達は心底悔しそうに捨て台詞を吐くと、逃げだすように私達の前から去って行った。