【完】365日、君をずっと想うから。
「あっ、あたし、花ちんの家電知ってるから、電話してみますっ!」
赤い髪の女の子が、カラフルなパーカーのポケットからケータイを取り出し、電話をかける。
電話越しに数言交わしていた彼女は、ケータイを耳から離すと、眉間にしわを寄せ力なく首を横に振った。
「花ちん、家には帰ってないって……」
そんな……。
ますます不安が募る。
どうすれば、なにができる、俺に、なにが、
言葉だけが頭の中でぐるぐると渦を巻いて、解決策を導きださないまま消えていく。