【完】365日、君をずっと想うから。
「ケータイにも繋がらないんだ……。
なにか、あったわけじゃ……」
次から次へと、嫌な予感が脳裏をよぎる。
心配な気持ちが抑えきれず、俺がそうつぶやいた、そのとき。
立ち尽くす俺の隣を、すごい勢いでなにかが横切った。
「蓮……っ」
それまでオロオロと状況を見ていた、もうひとりの男の子が声を上げた。
見れば、蓮くんが駆けだしていて。
彼の足に迷いはなかった。
俺は、なにもできないで立ち尽くしていたというのに。
「どうしよう、蓮、今 ───」
男の子が悲鳴にも似た声を上げ、俺はその言葉に、目を見開いた。
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