【完】365日、君をずっと想うから。

【 花side 】





°







「ありがとうございます、助かりました。
あとはこちらでお預かりしますので」



「よろしくお願いします」



私はまだしゃくりを上げている男の子の手をそっと離し、警察官に頭を下げた。



プラネタリウムが休館だと知って、戻ろうとしたとき、この男の子が泣きながらお母さんを捜しているところに遭遇したんだ。



「もう大丈夫。
絶対にお母さん、迎えに来てくれるからね」



男の子の前にしゃがみ込み、安心できるように力強く優しく言い聞かせる。



すると男の子は涙が溜まった目をゴシゴシとこすりながら、うんと頷いた。



「おねぇちゃん、ありがと……」



泣きながらもお礼を言ってくれた男の子に、温かい気持ちになって、私は男の子の頭を優しく撫でる。



「どういたしまして。
……じゃあ私はこれで」



男の子に笑顔を向け、立ち上がり、私は交番を後にすることにした。

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