【完】365日、君をずっと想うから。
私も、そうこうしていられない。
学校を出てからもう1時間経っちゃった。
とりあえず、コウくんに電話しよう。
プラネタリウムが休館日だってこと、知らなかったらいけないし。
通行する人たちの邪魔にならないよう、交番の近くの細い路地へと移動した私は、ブレザーのポケットからケータイを取り出し、電話を、
って、あれ? ケータイが起動しない。
あぁ! 充電切れてる!
何度電源ボタンを押しても、電源が入るわけがなく。
いつの間に充電切れてたんだろう……!
これじゃあコウくんに電話できない。
どうしよう……!
路地のど真ん中で、ケータイを握りしめ立ちすくんでいた、そのとき。
「花……!」
突然名前を呼ばれ、条件反射のように顔を上げた私は驚きに目を見開いた。