【完】365日、君をずっと想うから。
だって、蓮がこちらに向かって走ってきていたから。
「蓮……」
なんでここに蓮が?
しかも、息の荒さと乱れた制服から、ずっと走っていたことが分かる。
そんなに焦って、どうしたの?
なにかあったの?
クエスチョンマークばかりを浮かべた私の元へと駆けつけた蓮は、足を止めるなり私の肩をガシッと掴んだ。
その顔は心配と焦りで染まっていて。
「花、無事か……!?」
「う、うん」
状況を把握できず、困惑気味に答える。
それでも、まだすごい剣幕で迫ってくる蓮。
「なにしてたんだよっ」
「迷子の子を交番まで連れてってた……」