【完】365日、君をずっと想うから。
「怪我してる蓮のこと、置いてなんかいけない」
「大丈夫だって。
大したことねぇから、花は気にすんな」
「でも、」
「俺のことなんてどうでもいーから。
早く行けよ」
蓮が語気を強めた。
でも、私はふるふると首を横に振って、声を張り上げた。
「やだ……っ。
私にとってはどうでもよくない。
私はもう蓮の言いなりじゃないよ。
だから、私の意思で蓮と帰るのっ……」
「花」
「私はずっと蓮に助けられてばっかり……。
でも、蓮の力にだってなりたいっ。
蓮が大変なときは、私が助けたい……っ」
言いながら、目の奥が熱くなって、気づけば目の前の蓮がゆらゆらとぼやけて揺れていた。
なんで泣きそうになっているのか分からない。
でも、蓮への想いが溢れでるように、涙が込み上げるの。