【完】365日、君をずっと想うから。
「花ちゃん……!」
俺の声に、花ちゃんが顔を上げた。
と、俺の姿を写した花ちゃんの目が見開かれた。
「コウくん……っ」
花ちゃんとほぼ同時に顔を上げ、俺の姿を認めた蓮くんが、花ちゃんから身体を離す。
そして、俺の方へ向かうようにと花ちゃんの背中を押して促した。
「俺はもう大丈夫だから」
彼がこぼしたそんな声が、こちらにも届いた。
彼に背中を押されるまま、花ちゃんがこちらへ駆け寄ってきた。
「コウくん、心配かけてごめんね」
俺を見上げる彼女の瞳は、潤みを帯びていて。
俺が心配していたこと、多分蓮くんから聞いたんだろうな。