【完】365日、君をずっと想うから。
花ちゃんの同意を得た俺は、しゃがみ込んで彼女を背負い、立ち上がった。
相当疲れていたのか、俺に家の場所を伝えるとすぐ寝息が聞こえてきた。
花ちゃんの温もりが、背中越しに伝わってくる。
「花ちゃん、寝てる?」
寝てるよね、寝てることにするよ。
「花ちゃんが寝てるから、独り言言うね」
花ちゃん、覚えてる?
中学で、初めて会話を交わしたあの日のこと。
俺が3年生、花ちゃんが1年生の4月だったね。