【完】365日、君をずっと想うから。
「俺は花ちゃんに会いたくて、地元の大学に入学した。
でも、怖くなったんだ。
花ちゃんに大切な人ができていたらどうしよう、あのキラキラした瞳を向ける存在が俺の他にできていたらどうしようって。
だから、なかなか会いに来れなかった」
でも、ある日。
あれは今年の9月の下旬。
「そんなときだった、蓮くんが俺のアパートを訪れたのは」
大学から帰宅し、課題のレポートに取り組んでいたとき、アパートのチャイムが鳴った。
『はーい』
返事をしながら、大学の友人かと思ってドアを開けると、そこに立っていたのは、学ランを着た見たことのない金髪の男子だった。
『突然すみません。
あなたが月島光輝さんですか?』
『はい、そうですけど……』
突然俺の前に現れた彼は、多分ずっと捜し回っていたんだろう、疲れが目に見えるほどだった。
でも、俺を見つめる瞳はまっすぐで、ちっとも揺るがないものだった。