【完】365日、君をずっと想うから。
「ひかるちゃん、おはよう」
遠い距離でも聞こえるように笑顔を向けて声を掛けると、ひかるちゃんがそろーっと柱から全身を現し、そして
「うう、花ちーーん!」
そう声を張り上げるなり、こちらに向かって駆けてきて、勢いよく私に抱きついた。
「わっ、ひかるちゃんっ?」
び、びっくりした……!
不意打ちすぎて訳が分からないままだけど、ひかるちゃんの背中に手を添える。
「ううっ、ぐすっ、花ちんー」
私の肩に顔を埋めるひかるちゃんは、鼻をすすっていて、しかも涙声で。
もしかして……泣いてるの?
「どうしたの? なにかあった?」
心配と不安で尋ねると、ひかるちゃんが私を抱きしめる力を強めた。
「花ちんが無事だから、安心したのーっ!
なにかあったんじゃ、とか、コウくんさんが言うからぁっ!」
「ひかるちゃん……」
すぐに、ひかるちゃんが言っているのが、プラネタリウムで行き違いになったことだと理解した。
そっか。
あのとき多分、コウくんと会っていたんだ。