【完】365日、君をずっと想うから。
「最近学校に来てたのにね。
蓮がいないと、女子たちが静かだわー」
腕を組み、ふんふんと頷いているひかるちゃんに、私は緊張で乾ききった口を開いた。
「……ねぇ、ひかるちゃん」
「ん? なぁに、花ちん」
「ひかるちゃんは、自分の想いを相手に伝えたことってある?」
「ない」
やっとのことで声を振り絞った私に対して、思いだそうと過去を探る様子もなく、即答。
「こんな派手なかっこしてても、あたしだれかと付き合ったこととかないの!」
手を広げ、オーバーリアクションを見せるひかるちゃん。
「そっか。
ごめんね、急に変なこと訊いて」
唐突に変な質問をしちゃったことを謝ると、
「待って待って!」
と、ひかるちゃんが興奮気味にぐいっと顔を近づけてきた。
「あたしなんかのことより、花ちん、だれかに告白するの!?」
「え? それは……」
そのとき、私の答えを遮るように、朝のSHR開始を知らせるチャイムが鳴った。